Faculty
学科・専攻科教員紹介
- 一般教科
飛田 麻也香
英名 | Mayaka Hida |
---|---|
学科 / 専攻科 | 一般教科 |
職位 | 助教 |
学位 | 博士(教育学) |
役職・委員 | 寮務主事補、FD委員 |
専門分野 | 比較教育学、パレスチナ・イスラエルの教育 |
所属学会・協会 | 日本比較教育学会、国際開発学会、日本中東学会、日本教育学会、中国四国教育学会 |
主な研究テーマ | 教育的活動を通じてイスラエル国内のユダヤ人とパレスチナ・アラブ人の共生社会促進を目指すNGOに関する研究 イスラエル・パレスチナ間において教育的活動を通じて平和構築や相互理解促進を目指した活動を行うNGOに関する研究 |
キーワード | #イスラエル #パレスチナ #平和構築 #比較教育学 |
(代表)0846-65-3101 |
担当科目
研究紹介
教育を通して共生社会促進を目指すイスラエル国内のNGOをめぐるネットワーク
特徴
イスラエル・パレスチナ間の紛争解決や平和構築については様々な分野で研究がなされてきた。しかしながら、紛争解決や平和構築を考えるにあたっては、イスラエル・パレスチナ間のみならず、イスラエル国内のユダヤ人とパレスチナ・アラブ人の相互理解の促進にも目を向ける必要がある。イスラエル国内のパレスチナ・アラブ人は、イスラエルにおける最大の少数グループであるにもかかわらず、政府の差別的な政策に抑圧され、ほとんどすべての領域で困窮していると指摘されてきた。社会経済格差の拡大や国内におけるユダヤ人とパレスチナ・アラブ人の対立激化による社会の混乱などを受け、教育省の市民教育・共生本部(The headquarters for civic education and shared life)では「共生社会(Shared Society)」「パートナーシップ(Partnership)」といったキーワードを用いて、国内の様々なNGOと協力しながら人種差別防止や偏見の軽減、異なるグループ間の分断の改善を目指した活動を行っている。本研究の目的は、イスラエル国内で、ユダヤ人とパレスチナ・アラブ人の「共生社会」実現を目指した教育活動が、NGOによっていかに推進されてきたか、またそこにはどのような課題と展望があるかを明らかにすることである。
成果
以下5つの成果が挙げられる。
1つ目に、イスラエル政府は、1980年代後半から度々調査委員会を組織し共生社会に関連する提言を行ってきたが、政権交代に伴い、調査委員会による提言が実行されることはほとんどなかったこと。教育省は具体的な政策を計画、実行するよりも、もっぱらNGO主体のプロジェクトを支援することで、こうした活動に関わってきた。
2つ目に、イスラエル国内のユダヤ人とパレスチナ・アラブ人の共生社会推進を目指すNGO団体の活動は「双方の直接的な交流を伴い、互いを知ることや良い関係を保つことに焦点を当てた活動(類型A)」「双方の直接的な交流を伴い、両者の非対称な関係性やアイデンティティの問題などの内容を取り扱う活動(類型B)」「双方の直接的な交流を伴わない活動(類型C)」、の3つに分けられること。
3つ目に、双方の直接的接触を伴わない活動を含むNGO団体の活動が、参加者の偏見の軽減や、参加者同士の肯定的な関係の構築によい影響を与えたという成果がみられたこと。
4つ目に、NGO団体によって活動のしやすさや財政状況に大きな格差があり、教育省などの国家機関との関係性が関わっていること。
5つ目に、イスラエルにおける共生社会の推進を目指した活動は、類型Cから類型A、類型Bへと、段階的に行われていく最中であるととらえられるが、将来的には類型Bに該当する活動が増えていくことが望ましいこと。
業績
クラブ顧問
英会話部
モルック同好会
教員の一覧へ