後藤田 和
教員紹介
氏名 / 英名 | 後藤田 和 / Izumi Gotouda |
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学科 | 一般教科 |
職位 | 助教 |
学位 | 博士(学術) 題目:被差別部落当事者による自己表現に関する研究 |
役職・委員 | 2-2担任 |
専門分野 | 日本近現代文学 部落問題文学 |
担当教科 | 古典Ⅰ(1年)現代文Ⅱ(2年)、古典Ⅱ(2年)、国語Ⅱ(4年)、文学と思想(5年) |
資格等 |
小学校教諭専修免許 中・高等学校教諭専修免許(国語) |
所属学会・協会 | 日本近代文学会 日本社会文学会 昭和文学会 広島大学国語教育学会 広島大学国語国文学会 |
TEL・E-mail | gotouda.izumi.tn@hiroshima-cmt.ac.jp |
担当科目と概要
古典Ⅰ(1年)
古文・漢文の基礎知識を押さえることからスタートする。その後、短めの古文と漢文を読解することにより、日本文化や中国文化の源流を探り、現在の国際社会に対応できる、広い視野と素養を養成する。また、我が国や中国の古人独特の、物の見方・考え方・感じ方の理解に努めることによって、コミュニケーション基礎力を養成する。
現代文Ⅱ(2年)
現代文(評論、小説、詩等)や表現単元を通して、内容を文章に即して理解し、相手に自己を表現できるようになることを、目標とする。われわれ人間と「ことば」とは、決して切り離せないものである。事実、相手との意思疎通、知識・技術の獲得と提供、自身の思考、いわゆる「コミュニケーション」と言われる活動のいずれも、「ことば」を用いないものはない。そして、これら「コミュニケーション」活動はすべて、「理解」と「表現」とを土台としている。
評論や小説、随想といった「表現」に触れ、その内容を適切に「理解」すること。また、相手に「理解」されやすい「表現」を心がけていくこと。授業を通じて「コミュニケーションスキル」基礎力を養い、よき「理解」者・よき「表現」者となることができるよう、意識的かつ意欲的な取り組みを期待したい。
古典Ⅱ(2年)
古典(古文・漢文)を読むことで、日本文化の歴史を理解し、国際人としての基盤を養成することを目的とする。国際人として行動するためには、自国の理解が欠かせない。1年次よりも長文の古典を読むことで、日本文化の多彩な様相について認識を深め、現代の文化の源流を学ぶことができ、日本についてさらに深い理解を得ることができる。古典を学習することは、現代とは違う「ものの見方・感じ方・考え方」を知ることでもある。現代とは異なる価値観を理解しようとし、馴染みのない表現に目を開くことは、広い視野を養い、他者(異文化間・自国間)とのコミュニケーションを実現させる力を養う基礎となる。なお、大学受験を想定しないため、古文の文法や漢文の句法は基礎の習得に留め、内容の理解に重点を置く。
国語Ⅱ(4年)
社会で使用される言葉を始め広く日本語を習得し、その意味や用法を理解し、手紙文やメール、履歴書、レポートなどさまざまな文書の書き方に援用し、それぞれの文書のスタイルに応じて文章を書ける資質・能力を磨いていく。
また、プレゼンテーションの方法を理解し、自らの考えや意見を他者にわかりやすく伝えるとともに、他者の口頭による表現について、客観的に評価するとともに建設的に助言し、多角的な理解力、柔軟な発想・思考力の涵養をすすめる。
研究紹介
主な研究テーマ
- 日本近現代文学
- 部落解放運動と文学・文化
キーワード
日本近現代文学 部落問題 部落解放運動 土方鉄 公共性
主な研究テーマ研究内容
① 土方鉄の表現活動と部落解放運動との関わりに関する研究
② 部落解放運動におけるジェンダーに関する研究 ―女性の表現に注目して―
③ 戦後日本の社会運動における「公共性」関する研究
概要
特徴
①運動家・評論家として部落問題に関する研究で焦点を当てられていた、土方鉄という人物の表現活動について明らかにしていきます。土方は運動内部で表現活動の重要性を説き、自らも俳句や小説、戯曲など創作活動に熱心に取り組んでいましたが、今日までその点は深く追究されてきていません。運動との葛藤を抱えていた彼に光を当てることで、これまでの部落問題研究を捉え返していきます。
②従来の研究では社会学や歴史学の観点から分析が行われてきた落解放運動におけるジェンダーの問題を、「文学」の視座から問い直します。字を学ぶ、あるいは「書くこと」自体が困難だった女性たちの詩や小説などの表現に秘められた可能性を明らかにします。
③アジア・太平洋戦争終戦後、日本では部落解放運動だけではなく、様々な社会運動が巻き起こったことを踏まえ、社会運動相互の関わり合いに目を向けることによって、「公共性」を問い直していきます。
成果
1)これまで研究対象とされてこなかった被差別部落当事者による多くの表現を発掘し、コンテキストとの関わりからその可能性に光を当てること。
2)被差別部落当事者たちが自らを表現する場をどのように創出したのかという問題を、「公共性」という概念を手掛かりに捉えなおすこと。
3)部落差別の固有の問題を掘り下げつつ、自己表現と「公共性」という視座からほかのマイノリティ差別の問題をも問い直す可能性を提起すること。
業績
論文(査読有)
国際会議(査読有)
The Kikigaki of the Discriminated Buraku Communities : Focusing on Michiko Shibata's activities in the 1970s、chiara.comastri、奥村華子、後藤田 和、高畑早希、第55回国際研究集会「戦後日本の傷跡」 2022年2月11日
学会発表
学内紀要
戯曲「殻をぬいだでんでん虫」論 ─ 部落を想起させる表現方法に注目して ─
広島商船高等専門学校 紀要 (45) 2023年3月