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岸  拓真

教員紹介

氏名 / 英名 岸  拓真 / Takuma Kishi
学科 商船学科
職位 准教授
学位 博士(工学)
役職・委員 教務主事補・専攻科補・COMPASS 5.0 IoT分野リーダー
専門分野 船舶海洋工学・海洋空間利用工学
担当教科 海事演習(2年)、海洋気象(5年)、航海計器(4年)、航海演習1・2(3、4年生航海コース)、船舶運動解析学(海事専攻科1年)、環境工学(専攻科1年)、実験実習(3、4年生)
所属学会・協会 日本航海学会、日本船舶海洋工学会、 日本島嶼学会

担当科目と概要

海事演習ー操船システム演習(商船学科2年)

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船舶の操縦した時の運動を理解することは航海士にとって最も重要な学習になります。しかし、一方で機関士になる学生も、船の操縦がいかに難しいか知っておく必要があります。本演習形式の授業では、ラジコン模型商船を使ってあらゆる操船局面にトライしてもらい、実際の動きから船の操縦方法について習得してもらいます。また、船体運動に関する学習を、事前にチームで行い、みんなで話し合い答えを導いていきます。理論と実践を重んじる商船の勉強スタイルを低学年から身につけてもらうことが本演習の大きな目的です。

航海演習(商船学科4年航海コース)

船舶に関係する様々な制御機器を取り扱うことができることは、現代の航海士に必要とされる重要な能力であると言われています。本演習では、ただ取扱説明書を読んだだけでは見えない、様々な制御機器の特徴や課題点等を理解し、操作できることを目標とし、特に操船・計測工学に焦点を絞り学習・実験実習を行う授業となっております。この授業では、実験実習を行う前に、演習の内容について事前にチームで学習をし、実際に教員の前でその学習した内容についてディスカッションを行います。その内容を全チームメンバーが把握し、実験実習を行うことで実践と理論をリンクさせながら学習してもらっています。さらに、現代の制御の大半がデジタル制御であることを背景に、実習の後半はC言語によるプログラム演習を実施しています。

船体運動解析学(海事システム専攻科1年)

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専攻科は運用的な知識だけではなく、学術的な知識も必要となります。本講義では、船体運動を運動方程式を用いて表現する方法について学びます。また、操縦に関する様々な指標を導出し、その指標が船舶の安全運航にどのうように関係するかを学びます。船舶を係留した時の運動やダイナミックポジションニングシステムについて理解をしてもらいます。本授業も座学にとどまらず、ラジコン模型船等を使用し、実際の挙動等をみながら理解を進めていきます。また、浮体構造物を最終的に制作してもらい、復原性や係留の重要性について理解してもらっています。(写真は実際に浮体式風車の模型を制作する様子)

実験実習ー航海英語演習(商船学科4年生航海コース)

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本実習は、航海士に必要な英語について、ただ暗記するのではなく、実際の作業を通じながら習得してもらう実習です。外国を航海する船舶のみならず、現在日本の海を航海する船も英語を理解しておく必要があります。そのために、特に使用頻度の高い「他の船と無線電話で交信するシチュエーション」「船の実際の作業」「業務を交代をするとき」「緊急時」の4つを通し、英語をつかって話し、書いていきます。特に、広島丸で実際の船内の作業を英語でコミュケーションを取りながら作業する実習では、時制の変化や命令と報告の違いなど、英語において習得しにくいことを作業を通じて理解してもらいます。

研究紹介

主な研究テーマ

  • 災害時における船舶および浮体構造物の利用 〔大規模災害時における錨泊船舶を使用した陸上への給電モデル〕〔浮体式大型津波シェルターの開発〕〔緊急膨張式浮桟橋の研究〕
  • エネルギー環境学習に関する研究
  • 教育自航模型船を使用した教育に関する研究
  • 粒子法シミュレーション 〔MPSシミュレーション〕

研究内容
<大規模災害時における錨泊船舶を使用した陸上への給電モデル>

概要

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島嶼地域・遠郊の沿岸地域において、大規模災害(津波・巨大地震・沿岸部における豪雨高潮による洪水等)を原因とする停電は、当該地域の医療や上下水道、通信等に大きな影響を及ぼす。非常用発電装置の代替手段として、発電機を有する船舶からの陸上給電システムが注目されている。しかし、これらの研究の多くは船舶の岸壁係留が前提となるが、災害により岸壁の損壊や緊急物資輸送に岸壁を使用することが予想されるため、岸壁を使用しない給電手法についても検討する必要性がある。そこで、本研究では船舶を岸壁に係留せず、沖合で船舶が係留できる「錨泊(錨を使用し留まること)」を行い、海中ケーブルにて陸上へ送電が可能であるかどうかについて検討を行った。検討は、水理水槽を使用した模型実験だけではなく、本学練習船を使用した実証実験も実施をした。実験結果から、条件付きで安全な給電が可能なことを確認した。また、本システムにより、陸上の電力会社からの電気を船舶に給電する既存の給電システムを活用し、災害時に船舶から陸上へ給電し、それを電気自動車へ充電、電気自動車にて電気需要のある場所へ電気搬送を行うシステムの開発が可能であることの一部を実証することができました。今後、この給電システムにおける詳細な安全性評価、急速充電器と電気自動車を使用した社会実験を実施予定である。(図は学生が主体となって作成した本研究のポスターです。クリックすると拡大できます。)

<教育用自航模型船を使用した操船教育モデルの評価>

概要

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欧米を中心に模型船を使用した操船訓練が行われている(マンドモデル型操船訓練)。特に、水先案内人(パイロット)になるための養成教習において、水先案内人は多様な船の種類を操船しなければならないため、模型による模擬操船訓練は非常に有効的と考えられ実施されている。しかし、現状は広い水域を確保できないことができないこと、模型の場合様々な運動が大型船舶と異なる動きとなること、スケールダウンにより本来の時間よりも時間の進みが早くなるなどのデメリットから、日本では操船シミュレータによる操船訓練が一般的である。しかし、操船教育において、初学者にとってはとっつきにくい。そこで、実船において航海訓練前の船舶の動きや操船のコツを習得するために、デメリットを十分把握させつつ、効果的に行うために本学本研究室では、自航模型船による操船教育訓練の教育効果の評価に関する研究を行っています。特に、高専生は15歳から20歳までと幅広い年齢層の学生がいること、また海技経験者が教職員に多い土壌を利用し、その教育効果について、様々な手法によって検討を行っています。教育用自航模型船は、通常の操船の通り、前進後進が段階的に可能で、舵等の操作はすべて記録される仕組みとなっているため、のちに被験者の訓練評価を行うことが可能となっている。授業等でも実際に使用し(海事演習・海技演習など)、本格的な教育評価を行っている。また、ドローンを使用した俯瞰による操船教育等も行っている。

技術相談分野・利用可能な設備・資料等

  • 【相談】大規模災害(地震・津波・台風等)における船舶の係留について
  • 【施設】船舶総合実験水槽(風洞水槽)
  • 【設備】操船教育用模型船

業績

論文(査読有)

  • 岸拓真・南清和・増田光弘:浮体式大型津波シェルターに関する研究 -粒子法シミュレーションの運動解析への適用に関する基礎的検討-、日本船舶海洋工学会論文集,Vol. 24 (2017), p. 147-156,2017.1,http://doi.org/10.2534/jjasnaoe.23.147

国際会議(査読有)

  • Takuma Kishi,Kiyokazu Masuda,Mitsuhiro Masuda:A FUNDAMENTAL STUDY ON THE APPLICABILITY OF THE FLOATING LARGE SIZE TSUNAMI SHELTER, Proceedings of the ASME 2016 35th International Conference on Ocean, Offshore and Arctic (OMAE2016), 2016.6
  • Takuma Kishi,Kiyokazu Masuda,Mitsuhiro Masuda:Basic study on investigation of effective in form of moat under floating large tsunami shelter, Proceedings of the Asia Navigation conference, 2015.11

学会発表

  • 清田耕司, 大内一弘, ○岸拓真, 庄司邦昭:消滅可能性離島における海事史継承に関する基礎的研究、日本船舶海洋工学会講演会CD-ROM論文集,第22号,pp.-,2017.5
  • ○岸拓真, 河村義顕, 木下恵介, 濵田朋起, 江種大宗, 水井真治:錨泊船舶を利用した陸上への給電システムに関する基礎的研究-第一報-、日本船舶海洋工学会講演会CD-ROM論文集,第21号,pp.659-662,2016.11
  • 河村義顕,江種大宗,○岸拓真,小林豪:水中ケーブルが接続された錨泊船舶の挙動に関する基礎的研究,日本航海学会講演予稿集,vol.4(2016)No.2,pp.201-204,2016.10
  • 河村義顕,○岸拓真,南清和,増田光弘,大内一弘,水井真治:錨泊船舶の船内電源による陸上への給電システムの開発-システムの提案-,日本航海学会講演予稿集,pp.173-174,2015.10
  • ○岸拓真, 南清和, 増田光弘, 橋下洋佑, 河村義顕, 増田光一:粒子法による浮体式大型津波シェルターの性能解析に関する基礎的研究―計算解像度の影響について―,第25回海洋工学シンポジウム講演会論文集,pp.66-71,2015.8
  • ○岸拓真,南清和,増田光弘:浮体式大型津波シェルターに関する研究 (第二報)-係留システムの検討 -,日本船舶海洋工学会講演会CD-ROM論文集,第19号,pp.659-662,2014.10

クラブ顧問

ラグビー部

主な活動

ラグビー部は高体連、高専関係の大会に参加しています。少人数精鋭で頑張っております

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  • 高体連関係の大会(1年生~3年生)・高専関係の大会(1年生~5年生)

練習日時・場所

  • 週3、グランドで練習
  • 長期休み中に他高専との合同合宿あり